3月末で終了する3G回線 ガラケー所有者50万人の行方はどうなる

作成:ChatGPT
3G回線の停波で何が起こるか
NTTドコモが提供する携帯電話第3世代(3G)回線が3月末に終了を迎えます。3Gのみに対応する機種は通信不能となるため、ドコモが現在の利用者50万人に対して対応を呼びかけています。3G回線を使用しているガラケー利用者の多くは高齢者と想定されています。
一口に高齢者と言っても、具体的にどのような人々が現在ガラケーを使用しているのでしょうか。加えて、3G回線の停波でどのような不便が想定されるのか、その対策について考えてみることにします。
現在のガラケー利用者はどのような人々か
ガラケーの利用者はどのような人々でしょうか。高齢者のスマホ・従来型のケータイの所有率を長年調査している機関にモバイル社会研究所がありますが、同研究所の2025年調査によると、60代で4.6%、70代で9.1%、80代で19.0%の人がガラケーを利用しています。(図表1参照)
図表1 高齢者のデジタル機器所有率

出典:モバイル社会研究所
また、男女別のガラケー所有状況を見ると、男性に比べて女性のガラケー所有率が高いことがわかります。男性は、ガラケーとパソコンの併用所有率が高いのに対して、女性はガラケーのみの所有率が高いという調査結果もあります。(図表2参照)
図表2 高齢者のデジタル機器複数所有率

出典:モバイル社会研究所
またガラケー所有に関する地域別統計データはありませんが、都市部の高齢者よりも、地方在住の高齢者の方のガラケー所有率が高いものと考えられます。モバイル社会研究所の調査データでも、北陸・甲信越、中国・四国エリアのガラケー所有率が高いという調査結果が出ています。
これらのデータから読み取れることは、3G停波により最も不便を被ることが想定されるのは、地方在住の高齢者女性で主に80代であるということがわかります。現在80代以上の女性の3分の1は、いわゆる一人暮らしの「単身世帯」であり、彼女たちが通信手段をなくすことにより、例えば災害や事故が起きた際の安否確認が困難となるといった問題が生じる可能性もあります。
どのような不便が高齢女性に生じるか
ドコモでは昨年5月より、利用者が音声発信を行う際に一定の頻度でサービス終了に関する案内を音声ガイダンスで知らせています。また3Gから5G(スマートフォン)へ移行切り替えをした利用者にdポイントを提供するキャンペーンなども展開しています。
しかし、こうしたキャンペーンを展開していても、4月以降に携帯電話が突然使えないことに困惑する高齢者が一定程度発生することが考えられます。
こうした困惑した高齢者がショップなどを訪れた場合、携帯ショップでは、4G携帯やスマートフォンへの切り替えを推奨するでしょう。しかし使い慣れない機種への躊躇いや購入金額や利用金額の上昇への懸念から、スマートフォンへの切り替えや購入を諦める高齢者も一定程度生じると考えられます。
しかし、携帯電話やスマートフォンは、もはや多くの生活者にとってなくてはならない生活必需品となっています。特にスマートフォンでは、通話機能に加え、災害情報の迅速な通知、安否確認がスムーズに行えるなど、高齢者にとってもスマートフォンは重要なツールとなっています。
高齢者の中には、携帯電話は持たない、メリットが理解できないとして、所有しない方々も一定程度いらっしゃいますが、3G停波によりこうした人々が増加するのは避けたいところです。
求められる自治体のスマホ購入補助支援
こうした事態を避けるには、どのような対応が必要となるでしょうか。
実は、現在一部の自治体では、高齢者に対してスマホの購入費補助制度を設けています。これは高齢者のデジタルデバイド解消を目的として補助を行うもので、正確な数は不明ですが、東京都、東北地域などを中心に全国で約50〜100の自治体が実施しています。
例えば、
・北海道日高市:シニア世代のIT活用を目的として、初めてスマホを購入する65歳以上の方を対象に購入費を補助(上限3万円)
・東京都千代田区:「東京都公式アプリ」に対応したスマホを初めて購入する65歳以上の方を対象に、購入等に係る費用を助成。(上限3万円)
・兵庫県姫路市:初めてスマホを購入する70歳以上の住民に対し、上限1万円相当のポイントを提供
などの施策が自治体により行われています。
購入補助を行うに際しては、「スマホ教室を1回以上受講する」「行政の公式LINEアカウントに登録する」、「フレイル予防アプリをインストールする」「マイナポータルの登録を行う」などの条件が付けられているケースも見られます。
ガラケーからスマホに転換する高齢者のインセンティブとして、この補助政策は有効でしょうが、圧倒的に導入している自治体が少ないのが課題です。日本には約1,700の市区町村があり、そのうちの50〜100自治体なので、現在の導入率は約3〜6%程度にすぎません。
こうしたスマホの購入補助制度は、高齢者のデジタルデバイド解消、高齢者の生活の質の改善にも繋がるもので、3G停波による高齢者の不便解消のためにも、スマホ購入補助支援制度の更なる導入が自治体に求められます。
